【倖せデコボコ】⑱おせっかいの境界線は?

 

私の仕事は、紹介されて登録する方も多いので、お世話好きの方に会う機会が多いのですが、中でもポケットマネーで女性の社員さんを入会させたT社長は別格でした。ただ早く結婚してほしいということではなく、本人のおとなしい性格などを見て、「自分からアプローチするタイプじゃないようだから、井之上さん、頼みますね」という冷静な判断で、そうされたのでした。
ただ、善意でやったことでも、結局は不快に思うかどうか、受け取る側の気持ちでパワハラやセクハラになりかねない時代です。本人の気持ちを十分確認させていただいた上で、入会してもらいました。
その後は、T社長から、どんな男性と会っているかとか、状況を聞かれたことはなく、プライバシーに立ち入ることは一切ありませんでした。おせっかいと感じさせるか面倒見の良い上司と感じさせるかの分かれ道は、この辺りの配慮があるかどうかで決まりそうです。お世話好きも、相手の性格を見極めて個性を理解し気持ちを尊重して接することが、大事なんだと思います。必要以上に警戒して、人間関係が淡泊になってしまうのは残念ですよね。
(婚活事業所アイライン代表、福岡市)西日本新聞朝刊コラム